　安藤様のホームページはお送り戴く度に、必ず拝見しております。
　中々お元気にいろいろ楽しいことをやっておられ、感心させていただいております。

　野球、阪神、日本シリーズでは、惜しかったですね。
　でも、星野仙一監督が、今季限りで阪神監督をやめると云われた段階で、なんか、そんな感じが（王監督には負けると）しました。普通でないものを感じました。

　１１月にホームページを更新され、野球のお話を少し長い文章でお書きになっておられましたが、興味深く、そうそうと頷きながら、拝読したものでした。

　実は、私の父方・祖父が明治時代、一高（当時、大学予備門という名前でしたか）生の時、野球をしていて、これはよく正岡子規が、野球の始まりのときやっていた、と言われますが、恐らく時代は同じだったと思われます。
　なにしろ、出身の金沢に、野球を伝えたのは祖父達ということですから。

　東京帝国大学では、ボート部だったそうで、かなり熱心にやっていたそうでした（工学士塩屋益次郎追懐録）。ちなみに、この祖父は、東京で馬車鉄道を、電気鉄道にするとき、東京市の技師長として、設計、工事獅子奮迅の働きぶりだったということでした。またそれ以前、日本の電力界に於ける技術的中心で、東大・京大でも教え、松永安左衛門氏などは、祖父の弟子だったそうでした。なにか、野球の話から故祖父の話になってしまいましたが。

　もう一つ、阪神から、大毎オリオンズに多くの選手が抜けていきましたが、その中に、剛腕ピッチャー若林がいましたね。
　実は私の父が若林夫人と友達で、それも、仙台で東北大学に行っているとき、趣味で長唄、三味線などをやっていたのですが、そのお仲間だったようでした。

　旧交を温めるうち、当時鳴尾中学に行っていた私に、若林のお嬢さんの通っている神戸松蔭女子学院へ行かないかと、しきりに勧めるようになりました。オッチョコチョイの私は、洒落た校風と制服に憧れ、簡単にＯＫ。若林夫人の紹介で、院長や校長に引き合わされ、簡単な試験を受けて、中三の２学期から、すんなり転校。鳴中で、トップクラスでしたから（自分でいうのも可笑しいですが）松蔭でも直ちに目立ってしまって。的にされるのが嫌で、ここで高校は神戸高校を受け直そうかと思ったくらいでした。しかしそれでは、若林夫人や父の顔を潰す事になると思い直し、松蔭へは高３卒業まで居りました。
　若林のお嬢さんは、一年上で、ミス神戸になったほどのエキゾチック美人。そうそう、若林投手はハワイ出身だったようですね。

　若林監督一家は、国鉄甲子園口北側、約五分ぐらいのところにあるシックな住宅地に住んでおられて、決して大きなお住まいではなかったのですが、気品がありました。後年の、グリコ３億円事件の社長宅も、その直ぐ側でオヤオヤと思いました。

　若林夫人は粋筋の出身ではなく、むしろ、東北で有名な本間一族の方で、相当おきゃんなお嬢さんだったと、父は申しておりました。恐らく若林投手とは、大恋愛だったのでしょう。

　ちなみに、わが父塩屋恒は、戦後石川島重工業（当時）に、土光敏夫氏から誘われ、出来たばかりの大阪営業所（阪急航空ビル）を任されておりました。ですから、安藤様が新日鉄の方で、確か姫路にも勤務されていたということをホームページで拝読した時、広畑の製鉄所を思い浮かべました。新日鉄様は、父の営業のお得意様でしたから。また、若い時分、日本発送電（今の関電）の技師でしたので、そちらも大得意でした。

　それで、私は、昭和２４年から３２年まで、阪神電鉄武庫川駅近く、武庫川脳病院から少し鳴尾方面に行ったところのあばら家に住み（その後第２阪神国道建設用地に家が掛かり、西宮北口に転居）楽しい少女時代を過ごしました。我家は、父をはじめ東京弁で、学校では江戸っ子と言われてました。

　野球は、自転車でよく甲子園球場に通いました。プロ野球は、ジャイアンツや、東急フライヤーズのファンでした。鳴尾中学では殆どがタイガースファンばかりで、肩身の狭い思いをしましたが。でも一貫して、ジャイアンツファンではなく、結婚し子供が大きくなると、くるくる変わり、ずっと以前に優勝した頃のタイガースから、ヤクルト、ロッテ、横浜、巨人、そして、星野監督になってからタイガースというわけで。

なにか、私的な昔話になりました。お許しください。