お元気ですか。パリに来て１０日になりますが街は初冬のたたずまいが色濃くなって来ました。
セーヌ沿いの並木道に黄色い落ち葉が積もり、そこここのプラタナスは裸になりかかっています。
この季節になると、パリの晴れの時の顔と雨のときの顔がこんなにも違うのかと驚くことがあります。
余り長雨のないパリですから、気候の良いときには傘をささないで歩くのが小粋に見えるパリジャンも、
この季節の雨には渋い表情です。
パリジェンヌには傘をさす人が多いのは髪型などを気にしてのことでしょう。

エッフェル塔が近いので、とくに夜のライトアップをいつも楽しみにしていますが、今回の電飾は上から
下まで濃いブルーで、塔脚の部分には１２の大きな金星が円形に並んで輝いています。
何でもサルコジがEU議長か何かになったのを祝って、EU統一色にしたのだそうです。
１２という数字は発足時の国数でしょうか。いろいろな不協和音はあるものの、EUは成功という評価が
一応定着し、着実に前進しつつあるのを見聞きするにつけ、アジアの経済協調は、どういう形になって
ゆくのだろうかと懐疑的ながらも、経済圏形成の希望は失いたくない気持ちです。

一方で今度の防衛省幹部の言動は、日本国内の極端な思想分裂をさらけだしたような嫌悪感を
感じないわけには行ません。
それに、日本は友邦として信じるに値しない国という印象をアジアの国々に与えることが大きなマイナスです。
制服組の欲求不満は、まさしく政府の責任で収めてゆかなければならないはずですし、今度の一件は
一種のクーデターともいえるものと感じています。麻生総理他の政府高官が、これを厳しく批判していない
ようにみえるのですが貴兄はどう見ていますか。

こちらでもアメリカの大統領選挙がどうなるかに皆強い関心を持っているようです。
オバマ有利の下馬評だが、投票はその通りにはならないというフランス人がいました。
民主党に有力な白人候補がいたらまず民主党が勝つでしょうが、皮膚の色がもたらす影響は大きい
のが現実です。
小生は、オバマ暗殺を真剣に危惧しています。
政治の先端を走る人物は、変革の時期には命がけだと思います。