２０１６．１０．２２．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　８　２　歳　の　誕　生　日

　　　有り難いことに、今日、まあまあ無事に、８２歳の誕生日を迎えた。

　　　昔なら到底信じられないことで、我々には良い時代になったとつくづく思う。

　　　夕刻、東戸塚の長女一家がお祝いに駆け付けて、タコ焼きパーティーを開いてくれた。

　　　双子の孫も来年は高校進学とあって、学校選びに大わらわであった。

　　昼間は、鎌倉淡青会の行事で、東大の柏キャンパスを見学に出掛けた。紀子も一緒した。

　　昨今は、「知の冒険」を目指して、あらゆる分野で学問の総合化が必要となり、駒場・本郷に

　　次ぐ第三のキャンパスとして、柏が誕生していた。参加者は３０名だった。子供も二人居た。
　　
　　僕は殆んどの時間を「宇宙線研究所」で過ごした。先日来、ラジオで、宇宙や生命誕生の謎に

　　ついての講義を聴いていて、電磁波とか素粒子、重力波、γ線に興味を抱いていたからである。

　　折しもこの研究所の梶田隆章所長がノーベル物理学賞を受賞されていた。

　　帰宅してその話をしたら、中学３年の創太が、ニュートリノとか、カミオカンデを知って居た。

　　これには驚いた。と同時に大変嬉しかった。早速持ち帰った一式資料を全て彼に贈呈した。


　　彼らが大人になる時は、どんな世の中になっているであろうか。

　　我々の時代には、世間に確たる共通目的があった。

　　戦争はやめて、平和で文化的な国家を造ろう。そして世界に貢献しよう。

　　自分個人の為ではなく、皆んなのお役に立つ人間になろう。それだけを考えて生きて来た。

　　
　　今は世界中で価値観がまちまちである。これからどんな世の中になっていくのだろうか。

　　しかしそれを心配ししても、後事はもはや若い世代に託すしかない。

　　彼らを信じて、我々は静かに、なるべく迷惑をかけないように消えて行こう。