２００６．１１．１４．

　　　　　　　　　　　　　恩師　林三郎先生　の　書

鎌倉も愈々秋本番である。
紅葉とまでは行かないが、木々の葉っぱも少し色付いて来た。
昨日今日と晴天が続き、ひんやりした空気が本当に美味しく心地良い。
僕は、めずらしく二日続けて朝の散歩を楽しんだ。

炉開きを控え、今日は和室に疎開先での恩師、林三郎先生の色紙を二枚飾った。
風が強く、「飛花落葉」という言葉が季節にぴったりであった。
三十年も昔に拝領したものであるが、筆跡の見事さにはただ感服するばかりである。
先生はお名前をもじって「山露」と号された。

もう一枚は「勤而不倦」を選んだ。
体力の衰えを口実に、兎角怠惰になり勝ちな最近の自分を戒める気分になった。

先生夫妻が亡くなられてもう数年になる。
昨今、教育の貧困が話題になるが、僕は疎開先で素晴らしい先生に出会えた。
今もそのことを心底から有難く思う。