２００８．０２．１８．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おれたちは天使じゃない

　　今日は湘演の例会で、愉快なミュージカルを楽しんだ。
　　“イッツフォーリーズ”公演の“おれたちは天使じゃやない”
　　である。

　　原作は、アルベール・ユッソンという人の有名な戯曲だ
　　そうだが、今から３０年前に、いずみ　たく　等によって
　　ミュージカル化して上演されてからは、原作から離れた
　　“日本の物語”として定着し、上演回数は１４００回を超え
　　ているという。

　　あらすじは極めて単純で、ある年の大晦日、雪深い山荘
　　に三人の脱獄囚が逃げ込み、図らずも、心中しようとして
　　いた父娘を助ける結果になったことから、彼等が天使だ
　　と思い込まれてしまう、というお話であった。

　　ストーリーが勧善懲悪もので分かりやすかったこともある
　　が、全編を流れるヒューマニズムが、心に染みるメロディ
　　と共に心地良かった。　

若い人たちのテンポの良い踊りも素晴らしかった。
作曲の　いずみ　たく　や、初演時の、西村晃、有島一郎らは残念ながら早世されて既にこの世に
居られないが、無名ながらも立派な後継者が育っているのは嬉しいことだ。

歌も２０曲ほど演奏されたが、僕は藤田敏雄作詞の、“今、今、今”という曲に一番感動した。

　　“今、私は生きる。今、それがわたしの命。今、今、このひととき。ああ、今、この今こそ・・・。”

混迷の現在、即ち、“今”こそを、我々は真剣に生きなければならないのだ。