２０１１．０９．２１．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　義樹　とのメール交換

　　　安藤義樹　　様

　　　お誕生日おめでとう。
　　　今年は４９歳。来年はもう５０歳ですか。
　　　早いものですね。

　　　ところが今日は台風１５号のお蔭でお天気は大荒れ。
　　　お祝いはどういう形になるのでしょうね。

　　　何れにせよ、我家の皆んなは、それぞれ立派に成長してくれて、
　　　口に出しては言いませんが、秘かに感謝しています。

　　　来月の１４日には我々も金婚式を迎えます。
　　　５０年前も暑い年で、台風襲来で須磨の新居準備が遅れました。
　　　どういう形で紀子に感謝しようか思案中です。

　これからは孫たちの成長も楽しみです。
　よろしくお願いします。　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　父より

　鎌倉のみなさま
　安藤　義信　様
　
　お祝いのメッセージをありがとうございます。

　そう、まもなく50年を生きる自分に不思議さを覚えています。

　かつて信長が人生五十年を舞い謳い、現代も戦後６５年とか・・・。
　９．１１テロから１０年とか、平成の世も最早２３年も経っていたり、時の流れというものは、まさに
　絶え間なく流れ続けていることを実感するこの頃です。
　
　これまで、有史古代から続く歴史の重みというものを特段に大切にして生きてまいりましたが、
　この国の歴史ですら、たかが二千年・・・。５０年のほんの数倍でしかないとすれば、１０００年
　単位というのが、はるか悠久の長さと永遠にも感じていたことが、それ程でもないのだ、と感じ
　るようになりました。

　世の中の仕組みや組織の改革、より理想に近い社会を実現しようとあれやこれや奮闘しても、
　短時間では何もできないし、１０年２０年経ってどれ程変わったのだろうと、むなしくなることも
　よくあります。
　
　翻って昭和から現在に至る期間や、または幕末開国から近代に至る数十年の社会の変化や
　ライフタイルの変遷を考えると、人々の価値観や生き様は大きく変わり、過去とはすっかり決別
　しているようにも見えます。

　おそらく生き物としての基本的原理原則はあまり変わっていないのでしょうが、人類の歴史感や
　社会の人々の意識とは、ずいぶんと細かなこだわりで変化したり、変化を求めたり、争ったりして
　いるに過ぎないとも感じます。

　

　私も森にかかわるようになって幾ばくかの時が流れ、その営みにじっくりと向き合っていると、
　宇宙で星が消え、また星が誕生し、地球環境が大きく変化し、生命が誕生し、進化し、多様化
　してきた営みには、はるかに悠久で壮大、人類の叡智がとても及ばない原理原則に沿って、
　何かの力が働き動いているのだと実感します。
　
　より大きな原理原則とは何なのか ?
  宇宙物理学の世界なのか哲学の領域なのか・・・。

　文系と自任していた自分ですが、いつの間にか、文系も理系もなく、そのような短絡的でわかり
　やすい分類にはあまり意味がないのだとも考えるようにもなり、何事にも横断的に柔軟に、必要
　に応じて適応していけば良いと、そのように思っております。

　人生で何を成し遂げるかではなくて、できるところまで与えられた「生」を精一杯生き抜くことかなぁ
　・・・と、思っています。
　
　健康で精一杯に生き抜く気力と体力が私たち家族にも与えられていることに日々感謝し、また
　今日一日を生き抜いてみます。

　今日も皆が健康でありますように。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　義樹