２０１５．０２．０４．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　鬼と一緒に迎えた　立　春

昨日は節分であった。
我家では毎年その夕刻に豆撒きをして、福を内へ迎え入れ、鬼を外へ追い払う。
ところが昨日は、ここ連日の寒さに早く雨戸を閉めたので、うっかり、‘鬼は外、福は内’の
声を挙げられなかった。‘福豆’の用意は事前に十分にしてあったにも関わらずである。
やむなく今年は、‘鬼さん’と一緒に立春を迎えた。

現代は内外ともに対立の気風が充ち満ちている。まことに嘆かわしい。
そうした時代であれば、たとえ鬼さんとでも一緒に仲良く出来ればそれに越したことはない。
今年はそう割り切ることにした。折角の豆撒きは今夜にでもしよう。
しかし、歯が悪くなって、八十一粒もの豆を食べられるかどうかはちょっと心配である。

今日は二十四節気をさらに五日ずつ区切れば、七十二候の第一候、‘東風解凍’にあたる。
寒かったこの冬も次第に暖かくなるだろう。そういう期待を抱いて春を迎えようと思う。

この季節には「早春賦」の歌が思い出され、農家は「麦踏み」に励み、やがて「鰆」も食膳に
上ることだろう。

「春よこい。早く来い。」の声も聞こえてくる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　※　　　　映像は、ＢＳ朝日の　“映像歳時記”　から拝借しました。