市民参加　ミュージカル　　“僕はピンチ”　　に感動　　　　　０３，１０．２５．

今夜の鎌倉芸術会館の公演　“僕はピンチ”を観て、僕は二つの点で大いに感動した。

先ずはそれは、全てが鎌倉市民150人による手作り創作ミュージカルであったこと、

二つ目には、伝えたいメッセージが明快で、それも共感を覚える内容だったことである。

　
　実行委員会（委員長　一木　千恵子）は、2年前に

　発足、テーマ探しに入る。そしてルポライターの北村

　年子さんの講演にヒントを得て、脚本作りに入った。

　そのテーマは「子供たちに自分が好きだと思って

　生きて欲しい」、「自分の力を信じていいよ・・・」

　というものであった。


　ものがたり　の始まりは、一学期の終了式。

　中学生の翔は、無気力、無目的のまま夏休みを

　迎える。ところがそこに大事件が勃発して、翔は

　散歩に連れて出た犬のピンチと入れ替わってしまう。


　翔はいくら訴えても、自分が人間である事を認めてもらえない・・・・・。　

　こうした体験から、翔の心は大きく変わり、成長して行く・・・・・。

　脚本・演出・音楽・振付などほんの数名の専門家のほかは、これを助けるスタッフ、及び1０才

から７７才までの男女出演者全員が鎌倉市民であった。

　舞台装置も衣装もお化粧も全て自力によるものであった。

　半年間にもわたる稽古の結果、ミュージカルは、芸術会館の大ホールでの二日間３ステージ

公演、２８００名もの観客動員が維持されるまでに仕上げられた。

　　　　　　　　　　　　　　僕は僕のまま　　　　　　　　　　　　　　　　鈴木　一作　　作詞

　　日向を選んでのぼる坂道　　　　雨でも空見上げる坂道　　　　つばさなんかほしくない

　　この道の続きがほしい

　　僕は僕のまま　　　僕の価値のまま　　　もっと遠くの自分へ　　　今より近い自分の方へ

　　見ていてほしい　　　僕の続きを　　　　見ていてほしい　　　　君がいるから

　創作された曲は、２４曲にも達した。

　これが横山由和氏の脚本・演出、西村勝行氏の音楽、迫　敦子さんの振付でまとめられた。

　カーテンコールの後、会場出口は興奮の坩堝と化した。