２００４．０２．０８．

大阪市立天王寺第二中学校の教えのおや十四人を詠める歌　　　　秦泉寺　憲一

１　　　上品な生徒と固く信じおるわが校長はおめでたきかも

２　　　薬瓶机上に並べひたすらに新聞を読むこれの教頭

３　　　無精ひげ更にも剃らず自治会の事についてと子らに教ふる

４　　　王義之の流れをくめる書きびとは奈良の奥よりけふも遅れし

５　　　せいかつのかてをあたふるかかりびと（俸給係）眼まろめて頭よろしき

６　　　組合の繁き仕事のかたはらにＡ級はこれと配給をするも

７　　　もの言はず地蔵と昔言はれたる人は時計をいぢりおるかも

８　　　集ひ寄る子らうるさしと煙草持つ右手は横に振りはらはれつ

９　　　にくからずかわいからざるその鼻は頭のもなかにありてそびえり

10　 　ほのかなる思ひを秘めて今日もまた算盤を持つひとのよろしも

11　 　マスクはずし眼するどくいさかひしかばんのことの思はるるかな

１2　 　うつむいて何思ふらん二上の山よりぞ来し疲れ給ふか

13　 　針をもて数ふる人は青丹よし大和の国の端手より来る

14　 　やはらかきひとの肌膚（はだえ）をつまみあげ何ともなしと注射針つきさすは

　これは、昭和２２年４月に開校した新制中学の先生方を詠まれた　故秦泉寺　憲一先生
の歌です。発足時は一年生しか在籍せず、十四人の先生方とは以下の方々です。
　どの歌が何方を詠んだものか、一期生の方々は思い出して下さい。

ア　　森脇二一　　　イ　　後藤政一　　　ウ　　小谷楢逸　　　エ　　大島文夫

オ　　秦泉寺憲一　　　カ　　川井松治郎　　　キ　　粕本典男　　　ク　　粟田義一

ケ　　小川巌　　　コ　　竹中秀子　　　サ　　三谷芳子　　　シ　　杉本茂

ス　　村上徳治　　　セ　　筒井ヨシノ　　　ソ　　山口勝子

　話はもう半世紀以上昔のこと、悪口も時効だと思いますので敢えて掲載します。
　５月２３日（日）に、久し振りに同期会が開かれます。今から予定しておいて下さい。
　秦泉寺　憲一先生は、１月３０日に急逝されました。ご冥福を祈ります。