気懸かりな北朝鮮問題（３）　　　　　　　　　　　　　　０３．０８．０２．

６　　　　北朝鮮の素顔　−　経済

　朝日新聞は、７月２２日から６回にわたり、特集＝「北朝鮮の素顔ー経済」を連載した。

　断片的なエピソード中心の記事であったが、以下に各回の見出しを紹介する。


　�@　　市場の嵐　　―　　改革の試み　格差拡大

　�A　　白米の夢　　―　　崩壊した主体農法

　�B　　制裁の影　　―　　日朝、細る貿易・送金

　�C　　民族共助　　―　　支援の裏　南北の思惑

　�D　　外貨稼ぎ　　―　　党のため麻薬さえ

　�E　　対外開放　　―　　外貨誘致も体制が壁

　次に、各回掲載されたグラフを紹介する。

　�@　　日本・韓国・北朝鮮の経済比較　　　�A　　北朝鮮の穀物生産量　品目別内訳

　　

　�B　　日朝貿易の推移　主な輸入品　　　　�C　　南北のＧＮＰ／ＧＮＩ比較　交易額

　�D　　覚せい剤押収ルート　　　　　　　　　　　　�E　　　北朝鮮の輸出入総額

　北朝鮮と韓国の人口を比較すると、北が２３００万人、南が４８００万人である。

　もともと「南農北工」という言葉が示すように、南北には地勢上の違いがあったが、

１９４５年の日本の敗戦後は、政治的にも不幸な分れ方をしてしまった。

　そして約半世紀の間、両国は東西冷戦に巻き込まれ、互いに不幸な歴史を辿った。

　
　その両国は９０年代以降、経済面で大きな差がつくことになった。

　韓国が１９９２年に、初めて文民出身の大統領を迎え、順調に経済発展を遂げた

のに対し、北朝鮮はソ連崩壊後、その援助がなくなり、経済発展は頓挫するに至った。

　上記のグラフはそのことを如実に示している。（見難くて申し訳なし）


　何れにせよ、北朝鮮は現在国際的に孤立し、食糧問題を始めとして、経済的に極めて

困難な事態に追い込まれていることは間違いない。

　外貨を稼ぐ為ならば、麻薬も武器も扱うし、日本からは中古の自動車、電気部品など

何でも持ち帰って国内で利用しなければならなくなっている。

　
　新潟での「万景峰号」入港拒否問題で明らかになったが、北朝鮮からは日本海沿岸に

限らず、相当数の船が整備不良なまま、日本各地に入港している。

　鳥取県の境港で水揚げされるズワイガニの量は、既に日本漁船のそれを上回っている。

　昨年来、日本のあちこちで北朝鮮の船が座礁して放置されたままになったが、北朝鮮

には、船を整備したり、船舶保険に入る余裕などないのが実情である。


　「核開発問題」や「拉致問題」解決の見返りには、必ず「経済援助問題」が出て来る。

　それほど北朝鮮は追い込まれている。脱北者も後を絶たず、国境を接している中国の

大きな悩みにもなっている。


　しかし、誇り高い北朝鮮は、素直にそのことを認めようとせず、国民にも過度の犠牲を

強いて、足掻き廻っているように僕には思われる。


　日本には、多くの北朝鮮出身者が生活して居られる。
　
　そういう人々にとっても、故郷の現状は何より気懸かりなことであろう。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜　続く・・・　＞